第25回 農業ベンチャー初の上場企業

日本の農業の未来を担う 農総研

農業総合研究所(3541)は、都市部のスーパーに「農家の直売所」という産地直送コーナーを設置し、そこで各地の農家から集めた農産物を売る仕組みを作った会社です。

農産物の流通ルートはたったの2択

日本では、野菜や果物を出荷してからお店に並ぶまでのルートが大きく2つあります。

1つは農協(JA)に買い取ってもらい、農協に市場やスーパーへ出してもらう方法
売れ残りのリスクはありませんが、農家の手取りはややお安め
しかも、そもそも決められた規格じゃないと買い取ってもらえない、というデメリットがあります。

そしてもう1つは、農家自身が直売所へ直接農産物を持ち込む方法です。
地方によくある「道の駅」がこれに当てはまります。
こちらは間に業者が入らないので農家の手取り分が多いです。

ただ、大体の道の駅は買い物客がアクセスしづらい場所にあり、販売できる量も限られているというのが難点です。

「三方良し」を実現する仕組み

それでは農総研の仕組みを見てみましょう。

農家は近くにある農総研の“集荷場”に収穫した農産物を持っていきます。

このとき、農家は売るモノ・値段・場所を自由に決めることができます
集荷場から出荷された農産物は次の日の朝には必ずスーパーに並ぶので、鮮度はバツグン!

これはほかの店と差別化を図りたいスーパーにとってもプラスになります。

農総研の「農家の直売所」は農協と道の駅両方のいいところ取り、そして農家・スーパー・買い物客みんながうれしい「三方良し」の仕組みなのです!

ITで流通ルートを変革

こうした新しい流通ルートをITの力を使って切り拓いてきた同社。
上場している「農業ベンチャー」としては日本で唯一の企業となります。

始めは目の敵…ライバル視していた農協も、近年は集荷場の運営を請け負ってくれたり、自分の縄張りに「農家の直売所」を作ることを検討してくれるケースも出てきているそうです!

また、最近はコロナ禍で家にいる時間が増えたことで、一世帯当たりの野菜や果物の消費量が増えていることが追い風となっています。

日本農業の明るい未来を作っていく存在として今後も注目です!

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この記事を書いた人

とある新聞社で記者をやっている若手のエース。

「普段は目立たないけど実は良い会社」を見つけるのが好きで、不遇な会社を見つけるとつい応援してしまう。好きなお酒は日本酒。

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