第34回 百貨店依存型→不況に強い会社へ

時代を捉えた賢い経営が特徴 ナルミヤ

ナルミヤ・インターナショナル(9275)は「メゾピアノ」や「プティマイン」などの子供服ブランドを手掛けている会社です。

子供服で有名な「西松屋」とは少し違って、同社は少しお高めな価格帯
もともと百貨店中心にお店を出していましたが、近年はECサイトショッピングセンターにシフトしつつあります。

振り切った戦略で業績急回復へ

もちろん、コロナ禍では大きなダメージを受けました。
特に3~5月はほぼすべての店舗で休業を余儀なくされ、4.4億円の赤字を出しています。

そこでナルミヤがとった策が…
こうした状況下で好調だったECサイトに、ヒトもおカネも全振りするというかなり思い切ったものでした。

さらに今年は夏物セールをバンバン開催し、せっせと在庫消化に努めていました。

おかげで既に6~8月にはかなり赤字幅を縮めることに成功しています!

子供服ビジネスは意外に堅い

そもそも少子高齢化時代に子供服って売れるの?という疑問がありますが、子供は体の成長が早いので都度体型に合った服が必要となります。
ナルミヤによれば「子供の数自体は減っているが、一方で洋服にかける金額は年々増えている」そうです!

ここ最近、気温が一気に下がったこともあって、10月の月次業績は4カ月ぶりのプラスとなりました。

ここから先は力を入れているECの伸びに加えて、百貨店やショッピングセンターも徐々に回復していく見通しで、秋冬のさらなる収益回復が期待できそうです。
新しいブランドもどんどん取り入れていて、市場では「“攻めと守りの戦略”が成功しそう」との声も聞かれます。

来期以降は中国展開なども注目

あまり公にはなっていませんが、同社はパートナーを通じてECで中国市場にも進出しています。
意外にも、中国にはナルミヤのようなデザイン性の高いおしゃれな子供服はあまりないとのこと。
今は中国最大のネットショップで有名な「T―mall」に出店しているのですが、評判はなかなか良いようです。

来期は構造改革の成果などで業績のV字回復が見込める中、こうした中国展開などの新しい取り組みにも注目できます!

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この記事を書いた人

とある新聞社で記者をやっている若手のエース。

「普段は目立たないけど実は良い会社」を見つけるのが好きで、不遇な会社を見つけるとつい応援してしまう。好きなお酒は日本酒。

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